見出し画像

なぜ今noteが、ビジネス部門を強化するのか

これまでサービスを利用するクリエイターを最優先し、機能の開発や企画を実践してきたピースオブケイク。Valueに掲げる「クリエイター視点で考えよう」を実現するために一丸となって取り組んできました。

そして今、私たちは新たなフェーズに突入します。今まで不在だった事業開発や販売促進、インサイドセールスといったポジションを強化していきます。

ただ、一般的に「ビジネス」と「クリエイティブ」の両立は難しいとされています。では、なぜ「クリエイター視点」をたいせつにするピースオブケイクがビジネス部門を強化するのか。それは「クリエイター視点」を捨ててしまうことにならないのか。noteを活用している方のなかには、不安を覚える人もいるかもしれませんね。

今回の #ピ社のひとびと では事業開発の責任者であり、ビジネス部門の採用を司る坂本洋史さんにインタビュー。ビジネス部門を強化するに至った経緯、そして今後ピースオブケイクが目指す世界について聞いていきます。

私たちのこれからを楽しみに感じてくれた方はもちろん、ちょっと「今後どうなるの??」と思った方も、ぜひご覧ください。

坂本洋史(さかもと・ひろふみ)/事業開発責任者。新卒でアスキー入社。アマゾンジャパン(以下、アマゾン)のウェブプロデュースマネージャーとして、マーチャンダイジングやウェブマーケティングなどを担当。2019年7月にピースオブケイクに入社。唯一のビジネスサイドとして、note proの事業開発、事業推進、インサイドセールスなどを担当

再び火が灯った「創作に関わりたい」という想い

ー本題に入る前に、坂本さんの経歴、入社の経緯を教えてください。

キーマンは、代表の加藤です。彼とはもともと新卒で出版社に勤めていたときの同期でした。2019年4月頃、久しぶりに彼と話をしたことが、ピースオブケイクに挑戦したきっかけです。

それまではアマゾンのウェブプロデュースマネージャーとして、プロダクトのマーチャンダイジングやサイト制作、データ分析、集客などを担当していました。

アマゾンって少し特殊な会社で、ポジションが空いていれば手を挙げて異動できるんです。社外にもまったく同じ募集要項を出しており、中途採用の人と同じように選考を受けるシステム。心構えとしては「異動」というよりも、「転職」の意味合いが強いように感じました。

だから、異動を考え始めたタイミングで転職という選択肢も視野に入れ、外の世界を見てみたんです。そこで出会ったのが、ピースオブケイクの事業開発職の募集でした。

ただ、募集要項にはぼんやりしたことしか書かれていなくて……(笑)。久しぶりに加藤に連絡してみたら、「じゃあ、会って話そうよ」となったわけです。

ー惹かれたポイントは何だったのでしょう?

やはりMissionですね。「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」という。

僕自身、子どもの頃からパソコンで何かをつくったり、ゲームに夢中になったりしていて、パソコン誌を片手に自分でプログラムをくんだり、コンテンツをつくったりしていたんです。新卒入社したアスキーでは、Webデザイナーや編集者として、ものづくりを仕事にしていた時期もありました。

そういう原体験があったので、加藤の話を聞いたときに「創作に関わりたい」「創作の良さを広めたい」という気持ちに再び火がついてしまったんです。40歳を超え、年齢的にもすごく大きなことをするならラストチャンスだとは理解していたので「この機会は逃せないな」と。

もうひとつは、アマゾンという営業やマーケティングの戦略にデータやロジックがゴリゴリに求められる外資特有の環境で培った経験や知見が活かせそうだったからです。

誤解を恐れずに言うと、ピースオブケイクはまだまだ未整備。だからこそ自分が貢献できるのではないかと考えました。


ーご結婚もされていて、アマゾンのような超有名企業からスタートアップへ移ることに抵抗はなかったんですか?ご家族の反対とか。

いわゆる”嫁ブロック”ですよね(笑)。

若干心配はしていたんですが、子どもに関してはほとんど手がかからなくなっていて、かつ学費や住宅ローンの返済もある程度見通しが立っていたので、妻からも「もう好きなことをやってもいいよ」と言われました。タイミングとしてもすごくよかったですね。


不安はある。でも、それはnoteが愛されている証

ー実際に入社されたわけですが、今はどういった仕事を担当しているんですか?「ピースオブケイクの事業開発とは」を教えてください。

ひと口には言えないほど幅広いですね(笑)。ただ、大きく分けると2つになります。

ひとつは、アライアンス。ありがたいことにいろいろな企業から「noteを使って何か新しいことを始めてみたい」という問い合わせをいただいているんですね。お声がけいただいた企業の特徴とnoteの強みを掛け合わせて、新しいビジネスのフレームをつくっています。

最近だと、テレビ東京ホールディングスさんと資本業務提携をさせていただきました。テレビ東京さんには「番組をつくって地上波で多くのひとたちに届けられる」という大きな強みがあります。一方、noteには小説やエッセイといったテキストコンテンツやマンガコンテンツをつくっている方がプロからアマまでたくさん在籍している。

たとえば、テレビ東京さんが「新しいドラマをつくりたい」となったとき、noteのなかでドラマ化前提のシナリオコンテストを開催すればチャレンジするクリエイターは多いと思うんですよね。彼ら・彼女らは人生の選択が増えるし、テレビ東京さんにとっては新しい作家の発掘にもつながる。そういう企画が実現できたらおもしろいと思っています。

もうひとつは、サブスクリプションビジネス。具体的には、noteを法人のオウンドメディアとして活用いただくnote proという新サービスをスケールさせていくことです。

ただ、現状はnoteディレクターが問い合わせ対応から社内勉強会、契約まわりまでを担当しているため、本来やるべきクリエイター支援に専念できていません。

サービスをよりスケールさせていくための人員リソースだったり、データベースだったり、会議体だったり……そういったnote proに関する建て付けや仕組みそのものをつくっています。

ーいずれも0→1(ゼロイチ)で考えなければならないし、社内外問わず関わる人も多そうですが、仕事を進めていくなかで不安やプレッシャー、やりにくさを感じることはないんですか?

もちろん、不安やプレッシャーはゼロではないですよ。ただ、今直面している不安やプレッシャーはnoteというサービスが良くなってきて、クリエイターのみなさんに愛されてきたからこそのものだと思います。

今後仲間が増えて、もっと愛されるようになればいつかは解消されるし、そのときはまた新たな不安やプレッシャーにぶつかるはずですから。少し楽天的かもしれませんが、今の段階でモヤモヤすることはないですね。

コミュニケーションに関しても、特に社内に関してはやりづらさはないですね。会社としてというよりも、社員一人ひとりが同じ方向を目指しているので、共通言語が多くコミュニケーションコストがかからない。意思決定がなされたらゴールに向かってそれぞれが自走してくれるので、ストレスはほぼゼロです。

noteを世界中に届けるための「ガソリン」が必要だ

ーようやく本題になりますが、なぜ今回ピースオブケイクはビジネスサイトを強化していくことになったのでしょう?

noteというサービスをより広く、遠くに届けていくためのガソリンが必要だからですね。ガソリンとはずばり「お金」です。CXO深津のnote「お金はゴールではない、というお話」でも ”お金は「目的地に向かうためのガソリン」” と表現されていて、意図がとてもわかりやすいので、興味がある人はぜひ読んでみてほしいです。

わたしたちはインターネットの世界を「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」ために、まだまだやりたいことがたくさんあります。もっと多くの仲間が必要です。

これまでは「クリエイターが創作したコンテンツを読者が購入した費用」から手数料をいただくことが収益の大半を占めていました。これまでとは異なるやり方でガソリンを持ってくることもできると思うんですね。

たとえば、法人向けのサブスクモデルであるnote proだったり、さまざまな企業とコラボしてクリエイターの活躍の場をつくるときの企画提案料だったり……企業から支援をいただいて、クリエイターから作品を募って入選作品を決める「投稿コンテスト」も開催しています。

クリエイターは活躍するチャンスが広がり、読者は企画自体やより多くの作品を楽しめて、企業にとってはブランディングにつながる、言うなれば ”三方よし” の企画です。

noteがビジネス的なアプローチによってガソリンを増やすことで、今まで以上にたくさんの方に喜んでもらえる仕掛けを企画できるようになる。そして、わたしたちが目指す「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」も絵空事ではなく、現実味を帯びてくるはずです。

ただ、わたしひとりではどうしても限界がありますからね。一緒にビジネスを生み出すポジションや新たに関係を深めていくアライアンス先や法人ユーザーとコミュニケーションをとるポジションを増員することにしました。クリエイター、ひいては世界中の人たちにもっと喜んでもらうための採用活動です。

ーどういった方を採用したいと考えているのでしょうか?

あえてひとつ挙げるとするなら、「定量」と「定性」のバランスよく物事と向き合える方ですね。売上や利益といった数字やデータが「定量」、作品の雰囲気や空気感、クリエイティビティといった数値化できないものが「定性」です。

今後のピースオブケイクにとって「定量」の視点はたいせつですが、わたしたちが目指す価値観は決して数字だけでは測れないんですよね。人の心って数値化できないじゃないですか。「何かやりたい」という気持ちを理屈だけでは説明できないように。

だから、「定量」だけでは表現しきれない「定性」もたいせつにできる人に来てほしいです。もちろん「定性」だけでもダメなので、要はバランス感覚ですね。もう少し具体的にいうと、キャリアや趣味のなかで「ものづくり」に関わった経験があり、ビジネスとして数字やロジックを扱ったことがあれば嬉しいです。

ー最後に、このタイミングでピースオブケイクのビジネス部門に関わることのおもしろさについて教えてください。

インターネットって黎明期から今日にいたるまでちょっとしたきっかけで殺伐となりがちな世界だと思っています。要因のひとつとして、広告とランキングによってお金が生まれるロジックがある。刺激的なキーワードのタイトルやバナーで欲望を刺激して、PVを増やすとお金が儲かる。

定量評価もしやすいビジネスなので、必然的に競争が生まれる。もちろん、そうした世界もインターネットの多様性のひとつとして存在していいし、すべてを否定するつもりはありません。

一方、noteには広告もランキングもありません。コンテンツの「質」で競争する、これまでとは違うインターネットです。それなのに毎月1000万人が見に来てくれている。これってすごいことだと思うんですよね。

ピースオブケイクなら、ポジティブなインターネットの世界をつくることができると本気で思います。それも自分の手で。

ただ、まぁベンチャーですし、社内制度など足りてない部分もあります。だから「誰かに育ててもらおう」と考えている人には難しいかもしれません。未整備な環境で、制度も仕組みもさらにはビジネスも自分でつくってみたい人には最高だと思いますよ。

ー「クリエイター視点」をよりたいせつにしていくためのビジネス部門の強化ということがよくわかりました。同時に、今がとてつもなく大きなチャンスだということも。ピースオブケイクのこれからがますます楽しみです。

Text and Photo by 田中嘉人
スキ、ありがとうございます❤️
93

株式会社ピースオブケイク

“だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。“をミッションに、表現と創作の仕組みづくりをしています。note(ノート)では、クリエイターが各自のコンテンツを発表してファンと交流することを支援しています。cakes(ケイクス)は、cakes発のベストセラーを多数輩出しています。

ピ社のひとびと

ピースオブケイクで働く仲間の、お仕事noteや社員インタビュー、イベントレポをまとめるマガジンです。
3つ のマガジンに含まれています