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「職場環境をハックしよう」コーポレートITの仕事論

noteの躍進を支えるエンジニアチーム。プロジェクトの時間軸ごとに短期(カイゼンチーム)、中期(開発チーム)、長期(大局チーム)に分類し、開発スピードが落ちない体制を構築し、日々noteのアップデートに取り組んでいます。

しかし、技術力を駆使し、活躍するメンバーはnoteのエンジニアチームだけではありません。唯一無二のコーポレートITとして社内システムの構築・運用を任されているのが、東さんです。今回の #ピ社のひとびと では、コーポレートITの東耕輔(ひがし・こうすけ)さんにフォーカス。東さんが考える「コーポレートIT」といわゆる「情シス」との違い、「つねに本気を出し続けないといけない」と語る理由とは。

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東耕輔:2008年に金融系SIerへ新卒入社。JavaやCなどの開発環境の構築や標準化ツールの開発を担当する。2012年に私立大学へ。ユーザ3000人規模のITインフラを管理するチームに配属され、コーポレートIT担当としてのキャリアが始まる。2017年上場ベンチャーへ転職。社内ネットワークの設計・構築、セキュリティ関連施策の企画、仮想化基盤の導入を担当。2019年6月に株式会社ピースオブケイクへ。

「コーポレートIT」と「情シス」は違う

ーさっそくなのですが、なぜ「コーポレートIT」という名称なのでしょうか。いわゆる「情シス」との違い、使い分けている理由があれば教えてください。

使い分けている理由としては、「情シス」という言葉が本来の意味とは別のニュアンスを持ち始めていると思ったからです。

「PCのことで困ったら相談するところ」というイメージが定着していて、ひどいところだと「あれこれ口うるさいひとたち」ぐらいに思われている可能性がある。もちろん、PC周りのサポートやルール決めは大事な仕事ですが、もう少しマクロの視点で考えると「職場環境をハックする仕事」だと思います。

たとえば経理業務でミスが生じたとします。ぼくは「Excelを手作業で操作しているからミスが発生する」というボトルネックを見つけたら、原因と対策を設計して、解決へと導いていく。ときには自動化して勝手に帳票を出力してくれるようなシステムをつくることもあるでしょう。

ただの御用聞きではなく、会社のために本質をとらえた仕事をしたかったし、いわゆる「情シス」とは切り分けたかったので、ぼくはコーポレートITを名乗っています。

あと、そもそもですが、「情シス」という言葉ってよくよく考えると意味がわからないですよね(笑)。

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ーなぜコーポレートITとして働くことに?

きっかけは偶然なんです。もともと金融系SIerでエンジニアの開発環境を構築していたのですが、より多くのひとにとっての“環境をつくる仕事”に就きたくて転職しました。

ー「環境をつくる仕事」とは?

ざっくりいうと裏方仕事全般です。

大人数で音楽をやっていた大学生時代、ホールブッキングや業者の手配といったいわゆる裏方業務を任されたことがありました。この「ステージマネジメント」の仕事をすごく気に入ったのが、僕が「環境をつくる仕事」を面白いと思った原点です。

SIerから私立大学へ転職してからは、前職がエンジニアということで学内のIT周りを担当することになりました。仕事の幅は広かったですね。

ネットワークとサーバーの保守運用、アカウント管理、キャンパスへのWi-Fi敷設などいずれも3000名規模の学生の「環境をつくる」仕事ばかり。やり甲斐もありつつ、負荷もかかって、かなり鍛えられた5年間だったと思います。

コーポレートITの価値を認めてくれた

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ーなぜ転職しようと?

単純に、力だめしをしたくなったからです。大学は良くも悪くも閉ざされた世界。自分が世の中でどのくらいのポジションにいるのかを知りたくなってしまったわけです。当時の年齢は30歳。まだまだ挑戦をあきらめる年齢じゃないですよね。

そう考え、ベンチャーのコーポレートITへ転職しました。担当したのは、社内ネットワークをゼロから設計・構築したり、セキュリティ関連施策の企画など。もちろんラクではなかったけど、なんとかやっていけそうな手応えを感じられたのは嬉しかったです。

ーある程度、東さんにとっても生き方が決まった感覚はあったんですか?

意識しているわけではないんですけどね。裏方のほうが向いていることは薄々感づいていて。

うまく言葉にはできないんですが、人の世話がそんなに苦にならないんですよね。たとえば大学勤務時代も年度初めには新しい学生と教員からの尋常じゃない数のヘルプデスクをやるんですが、普通に対応できている自分がいて。「なんで大丈夫なの?」って驚かれましたが、自分にとってはたいしてしんどくなかったんです。

ー三度目の転職をしてピースオブケイクへ入社するわけですが、その経緯は?

やはり力だめしですね。プロジェクトがひと段落ついたので、「これまでの経験を必要としてくれる会社があれば話を聞いてみよう」と思い、履歴書と職務経歴書をピシッとつくって求人サイトに登録。すると4社からスカウトが届き、1社がピースオブケイクでした。

決め手としては2つ。1つ目は、CTOの今(こん)さんやベテランエンジニアの飯野さんと話して、自分のスキルが必要とされていることに気づいたからです。トップクラスのエンジニアに求められたことが、純粋にうれしかったです。

2つ目は、"noteのこれから" にかなりワクワクしてしまったからです。会社について調べていく過程で「noteの成長モデル」をまとめた図を見たのですが、「この会社、もしかしたらとんでもないことをしようとしているんじゃないか」と。

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※noteの成長モデル

かなり志望度が上がった状態で最終面接に臨んで、noteというプロダクトのビジョンがしっかりしていること。加藤さんのエンジニアリングやテクノロジーへの理解が異様に深く、コーポレートITの重要性を認めてくれていること。そしてコーポレートITに協力的なメンバーばかりの“オトナの組織”であると知り、入社を決めました。

noteには、本気を求められ続けている

ー現在の仕事内容について教えてください。

簡単にいうと、プロダクト以外のIT周りすべてです。機器の調達・管理、ヘルプデスク、業務フローの改善、プロセスの自動化……とてもひとりでは手が回らないので、インフラエンジニアに手伝ってもらっている仕事もありますが。

マイルールというほどではないんですが、意識しているのはヘルプデスクを早めに対処すること。スパンの長いものに関しては、なるべくこまめにアウトプットを出して「あれどうなった?」という状態にならないようにしています。

入社直後には、プライバシーマークの更新審査対応もやりました。普通の会社であれば総務が担当することが多いですが、総務が不在だったこともあってぼくのほうで審査対応を。

ーマルチすぎますね(笑)。ちなみに、いろんな会社を経験してきた東さんが感じるピースオブケイクならではのおもしろさとは?

ひとつは今までの経験すべてをぶつけないと成果が出ないこと。

大変ではあるんですが、本気にならなきゃいけない場面って大人になると減ってくるじゃないですか。本気を出し続けなければならない環境は、それはそれでおもしろいです。学びも膨大なので、壁を乗りこえるたびに自分が強くなっている感覚もありますし。

あとは、やはりみなさんオトナなのはありがたいですね。相手をちゃんと尊重して、互いに気持ちよく働けるようコミュニケーションに配慮できる。たとえばSlackに「こんなことで困ってます」とポストすると、すぐに「こうしたらいいんじゃない?」とレスが返ってきたり、エンジニアからフィードバックをもらえたり……組織の垣根はほぼないです。

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ー東さんはプロダクトサイドのエンジニアをどのように見ているんですか?

相当刺激にしていますよ。CTOの今(こん)さんなんて同い年だし、他にも経験と実績のあるエンジニアばかりなので。だから……というわけではないのですが、彼らをプロとして尊重したうえでコミュニケーションをとるようにはしています。

たとえば何か相談があったら、目的を推察しつつも確認は怠らない。オトナの組織なので、つい感覚で進めてしまいがちですが、思い込みだけで動くとだいたい失敗するので。

少なくともぼくは彼らの邪魔にはなっていないと思っています(笑)。

ーそれは邪魔になる可能性があるということですか?

あり得ますね。コーポレートITって2つの傾向があるんです。1つ目はルールを決めてそのとおりにやらせるある意味で官僚的なタイプ。もう1つはぼくが志向している一緒につくり上げていくタイプ。

前者だとみんながコーポレートITに怒られないようにルールをハックして抜け穴を見つけようとしてしまうんですよ。でも、それってすごく本質的ではないですよね。コーポレートITの振る舞いひとつで組織の足を引っ張ってしまう可能性があるんです。

コーポレートITチーム発足を目指して

ー仕事を進めていくうえでの判断基準みたいなものがあったら教えてください。

まずは、「だれが喜ぶのか」ですね。仮に自動化できることがあっても、幸せを感じる人がいなければやる意味はない。意識しつつ、シンプルに解決できる方法を考えています。

結局、この仕事って広がり、余地を残しておかないといけないんです。ほかのひとも一目で理解できるような。ピースオブケイクのような成長過程にある会社だと常に改善の余地があるので、柔軟に対応できるカタチにしておくことは常に意識していますね。

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ー印象に残っている仕事はありますか?

貸与端末のスペック決めですね。それまではみんな自前の端末を使っていましたが、2019年に会社から貸与することが決まりました。だれにどういうスペックの端末を割り当てるのかをCEO、CTO、CFO、あとインフラエンジニアで議論したんですが、驚くほどに白熱して。

みんな立場があるので、加藤さんの意見に対しても全然引かないんですよ。すごく印象的だったのは、主張すべきところは主張しつつも、「だれにどの端末を割り当てるか」というそもそもの議題をみんな念頭に置いていたので、激しいながらも健全な議論ができたと思います。

ぼくにとってはそれぞれの立場が大事にしていることが浮き彫りになったので、そういう意味でもいい機会になりましたね。うっすらと思っていたことが完全に言語化できたというか。これからそれぞれとコミュニケーションをとる際の意思決定のツボを押さえたような気持ちです。

ーありがとうございます。最後に今後目指すべきことについて教えてください。

コーポレートITとしてはそろそろチームをつくっていきたいですね。速く行くならひとりがいいけど、遠くへ行くなら大勢がいいので。noteは今後インフラとして社会に広がっていくはずなので、その思想を社内にも浸透させるような環境をつくりたいと思います。

会社のミッションをより洗練したカタチで実現する。たぶん、ぼくの存在価値はそういうところなのだと思っています。

ーちなみに、一緒に働くならどんな方がいいですか?

オトナな方……つまり自分の主張は持ちつつも、状況をきちんと受け入れて、ゼロベースで対処できるひとですかね。主張がないと状況に流されるし、主張が強すぎると押し付けがましくなってしまう。その辺りのバランスをうまく取れる方がいいですね。

コーポレートITってエンジニアと言いつつも、接客業的なマインドも必要です。みんなの視線を意識したアクションをしないと信頼はすぐに失われてしまう。その辺りのホスピタリティみたいなものがある方だと馴染みやすい気がします。

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ー事業成長を加速させるポジションといっても過言ではないコーポレートIT。2人目のコーポレートITとして入社される方にも、ぜひピースオブケイクの躍進を後押ししていただきたいと思います。ありがとうございました。

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Text and Photo by 田中嘉人
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